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23 2010

Snob

スノッブ(Snob)とは、単純に直訳してしまうと俗物というコトなのですが、忌み嫌われる言葉も厳密に掘り下げて考えれば、誰にでも当てはまったりします。「天は二物を与えず」というのも諺の通り、要領よくこなせても器用貧乏になりがちです。しかし稀に、多方面でレベルを超えた活躍をする人は確実に存在します。
フランスが生んだ奇才「ボリス・ヴィアン」は、小説家・詩人・画家・ミュージシャン……etcとして、多岐に渡る才能で夥しい作品を残し生き急ぐように、本日が命日となる1959年6月23日/39歳の若さでこの世を去りました。

ジャズが似合うフィルム・ノアールなタイトル「墓に唾をかけろ」は、当時フランスで流行り始めていたアメリカ版ハードボイルド小説の翻訳を依頼され「翻訳するぐらいなら自分で書く方が速い」と短期間で「でっち上げ」た作品で、黒人脱走兵ヴァーノン・サリヴァンに成り済まして出版されてます。良くも悪くも様々な影響を与えた問題作は、本人の不本意な方法で撮影され、皮肉にもその試写中に心臓発作に見舞われてそのまま帰らぬ人となっている。映画が始まって数分後「こいつらはアメリカ人になったつもりなんだろうか? 馬鹿にしやがって!」というのが最後の言葉だったらしい。

そんなヴィアンの代表作に「ぼくはスノッブ(J'suis snob)」という詩がありますが、気になったら是非ググってみましょう。