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27 2010

1万年愛す

074.jpg邦題には「直訳タイプ」と「意訳タイプ」があります。最近は横文字への抵抗がなくなり、原題の意味やイメージを損なうという理由からメッきり減ってしまったのですが、旧い映画等では原題より意訳タイトルの方が、ピンと来るモノも多いのではないでしょうか?
改めて例える迄もありませんが「俺たちに明日はない(※原題 Bonnie and Clyde)」や「勝手にしやがれ(※原題 À bout de souffle)」等の多くの優れた意訳タイトルは、刺激の薄い平凡な原題のままでは恐らく見なかった人々も巻き込んで、注目度を引き上げました。

一万年愛す」のパスワードでピンと来たシネマニアも居ると思いますが、個人的にも1・2を争うタイトルの「恋する惑星(※原題 重慶森林,Chungking Express)」は、やはり原題のままなら確実に見るのが遅れた内容共にドツボな作品です。想像を広げる奥行きが感じられるタイトルを始め、それに勝るとも劣らない緻密な演出&洒落たセリフ廻しを加えた映像の格好良さには、パーフェクトに参りました(笑)
更に、好物の「アメリカン・ニューシネマ/ヌーベル・ヴァーグ/香港ノワール」に通じる匂いが根本に漂っていて、その上にウォン・カーウァイの斬新なテイストが、続く「天使の涙(※原題 堕落天使,Fallen Angels)」にも、絶妙に融合されてる気がします。

右画像の短編「Ferix the Cat(モーターロック6巻収録/少年画報社)」は、その辺のリアクションが色濃く出た作品なので興味の湧いたヒマな方は、上記を踏まえて読み返すと面白い発見があるかもしれません。
最後に、恋する惑星・後半ストーリーで頻繁に流れるこの名曲をどうぞ。